少額減価償却資産の特例とは、30万円未満の減価償却資産については年間300万円を限度として経費に算入することが認められる制度です。
節税対策に使えると話題になることがありますが、その反対に節税にならないという意見もあります。
今回は少額減価償却資産は節税に使えるかという話です。
結論:どの時点に立つかによって変わる
結論から申し上げますと少額減価償却資産が節税になるかどうかは、どういった視点に立つかによって変わります。
短期的な視点に立つと節税になりますし、長期的な視点に立つと節税になりません。
節税になるという意見=短期的な視点
節税になるという意見の根拠は費用の早期計上ができるということです。
本来は減価償却資産として耐用年数にわたり費用処理されるものが、取得した事業年度で全額が費用となるため、単年度で見ると税負担が少なくなります。
そのため短期的な視点に立つと節税になるといえます。
節税にならないという意見=長期的な視点
少額減価償却資産は費用の早期計上ができるというのは先ほどお伝えしました。
しかし費用計上できる金額の総額が変わるわけではないのでトータルで見ると節税にならないとも言えます。
長期的な視点では節税にならないということです。
ただし法人税は課税所得が800万円を超えると税率があがりますので、課税所得が800万円を超えたり、超えなかったりの事業年度を繰り返す法人であれば節税になるケースもあります。(逆に節税にならず税負担が増えるケースもありますが)
課税所得800万円と節税の話は今度別記事にします。
注意点
償却資産税は課税対象
適用対象者
- 必要な手続き
法人の場合は法人税の申告書に明細書(別表16(7)を添付しなければなりません。
個人事業者の場合は確定申告書に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書を添付するか青色決算書に一定の事項を記載し提出しなければなりません。 - 適用対象者
常時使用する従業者の数が500人以下の中小企業者で法人にあっては資本金の額が1億円以下のものが対象です。 - 償却資産税の対象
少額減価償却資産は償却資産税の対象です。
申告の際には忘れないようにしましょう。
まとめ
少額減価償却資産の特例は決算直前でも使い勝手のいい制度です。
ただし、節税のために使うとなるとどの視点に立つかで考え方が変わってきます。
しっかり考えて行いましょう。
◆編集後記◆
サッカー日本代表がパラグアイに勝ちましたね。
ブラジル戦も楽しみです。
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