「時をかけるゆとり」は朝井リョウさんのエッセイです。
朝井リョウさんといえば「霧島、部活やめるってよ」が有名な作品で、直木賞を最年少受賞したことでおなじみです。
「時をかけるゆとり」はそんな朝井リョウさんの大学生1年生から社会人3年目までの期間を綴っています。
直木賞作家も普通の大学生だった
朝井リョウさんのイメージは、最年少で直木賞を受賞したということもあり、知的な人物なのではないかと想像していました。また、人物の細やかな内面について描かれている作品も多く、とても繊細な方だと思っていました。
本書はそのようなイメージが吹き飛びました。
朝井リョウさんも直木賞作家とはいえ普通の大学生でした。
知的なわけでも、繊細なわけでもありません。
若者特有の自意識過剰な感じや、勢いが先行してしまうところなど、読んでいて甘酸っぱい気持ちになります。
この本を読むと朝井リョウさんのことが好きになるでしょう。
何も考えずに読める。抜群におもしろいが得るものはない。
全体的にどうでもよい話、くだらないエピソードが多いです。
それらに著者の文章力と感性が加わりとてもおもしろいものになっています。
考えさせられることや哲学的なことは書かれていないので、何にも考えずにリラックスして読めます。
1つ1つのエピソードはそれほど長くないので、移動時間などのちょっとしたスキマ時間にもおススメです。
私は疲れた時なんかに読み返すことが多いです。おもしろい話を読むと元気が出ますよね。
このエピソードがおもしろい
黒タイツおじさんと遭遇する
朝井リョウさんが大学2年生の時のエピソードです。麻布十番のマクドナルドで小説を読んでいると隣のテーブルのおじさんがじっとこちらを見つめているところから話は始まります。
こんなおじさん本当にいるの?おじさんと朝井さんのやりとりって何の意味があるの?
そんなエピソードです。
母がいろいろと間違う
このエピソードは”母という生き物は、おもしろい。”の一文から始まることからわかるように、朝井さんのお母さんのお話です。
なぜそんな間違い、勘違い、思い込みをするのでしょうか?
たしかに母という生き物はおもしろいですね。
まとめ
朝井リョウさんのエッセイは続編があります。
こちらもとてもおもしろいので合わせておススメです。
◆編集後記◆
京口紘人選手が今回の統一戦についてyoutubeで話をしていましたね。
統一戦の交渉って簡単ではないのだなと実感しました。