「アンラーン人生100年時代の新しい学び」という本にアンラーンという考え方が書かれています。

これまでに身に着けた志向のクセを取り除き、さらなる学びや、成長につなげる形に整理しなおすことをアンラーンといいます。

著者は元ハードル選手の為末大さんと東京大学大学院教授の柳川範之さん。

なぜ今、アンラーンが必要なのか?

新しい環境に出会ったとき、「これまではこういったやり方で対処してきた」「これまでと基本的に同じでOK」など過去の経験から判断することがあります。

しかし、過去の経験に頼りすぎると新しい展開を妨げる要因となり、変化のタイミングでスピーディに対応できないこともあります。

今まで身につけた思考のクセを見直し、柔軟な発想ができるようにすることがアンラーンの目的です。

とはいえ、過去の知識や経験は貴重な資産です。アンラーンはそうした資産のすべてを手放すことではありません。それらを時の経過とともに価値を風化させないようにメンテナンスするものがアンラーンなのです。

今まで積み上げたものの先に未来があるわけではない

思考のクセを捨てるということは、固定化されているパターン化をいったん忘れることです。

なぜこれが大事かというと、これまでに作り上げたものや、今手にしているものの延長線上に、未来が当たり前にあるわけではないからです。

これだけ変化の激しい時代に未来を予測することは困難です。従来の常識やルールが通用しないケースも多くあります。無意識にやっていることが最適解とは限りません。もっと良い方法があるかもしれません。

何の疑問もなくやっているルーティーンがある場合は見直してみてはいかがでしょうか?そのルーティーンの目的は明確でしょうか?

環境に適応しすぎると成長が止まってしまう

リトルリーグのヒーロー打者は高校野球では活躍できないことが少なくないそうです。

リトルリーグの試合は校庭など整備の行き届いていない地面で試合をすることが多いそうです。
そういう環境ではバットをダウンスイングさせてボールを地面にたたきつければ、ボールがどこへバウンドするのかが読みにくくヒットになるそうです。

しかし、高校野球になると整備されたグラウンドで試合をすることが多く、変なバウンドもなかなかおこりません。そうすると地面にたたきつけてもヒットになりにくいです。

このケースは、ある条件下で環境に適応しすぎると状況が変わった時の阻害要因となる一例です。

同じようなことはビジネスの世界でも起きているのではないでしょうか?

転職を経験された方でしたら実感があるかもしれませんが、昔の職場で美徳とされていたことが新しい職場に行くと好ましくないものとして取り扱われることもあります。

私が過去に働いていた職場では長時間労働を美徳とする文化がありました。
長く働く=がんばっているという考え方です。この考え方を美徳にすると効率化を図るということや成長するということに重きを置かなくなります。

長時間労働と効率化、成長のどちらが重要かは一目瞭然ですよね。

私の例は極端ではありますが、環境に適応しすぎる弊害はそう珍しいことではないでしょう。

まとめ

変化へ対応することの重要性は今後も増していくことが予想されます。

特に組織にいる人にとってはその組織内での当たり前が他の業界では通用しないということもありえます。

過去に囚われることなく本質を理解することが重要です。
私も税理士業界という古い業界にいるので業界の当たり前には注意をしていこうと心がけています。

◆編集後記◆
kindle Unlimiitedに東京喰種が追加されていますね。
全巻とはありがたいです。