難関資格といわれる税理士試験ですが、実際どれくらいの難易度、勉強時間そして合格するための科目の選択について考えていきます。
税理士試験の本当の難易度:合格するための戦略
税理士試験の科目別の合格率は大体10%強くらいです。
ただし、財務諸表論は20%を超える年があります。
合格率だけ見ると非常に難易度が高いです。
税理士試験には大きく二つの特徴があります。
- 競争試験であり、絶対的な合格点はない
- 合格者の多くは受験予備校に通っている
これらの二つの特徴を踏まえると合格するための戦略が見えてきます。
競争試験であるということは、他の人が正解する箇所を間違えると差がつくため合格が遠のきます。
簡単な問題こそ正解しなければいけません。
合格者のほとんどが受験予備校に通うか、通信講座を受講しています。
私はいままであった方の中で受験予備校に通わないで合格した方はいません。
そして受験予備校も大原またはTACの方が大多数です。
なので大原又はTACの模試や答練で出題された問題を完璧に解く知識があれば、知識面での不足はありません。
では、模試や答練で出題されなかった問題が出た場合はどうするか?
その場合不正解であっても合否に影響がない場合が多いです。
そもそも他の人も不正解が多いので差がつきにくかったり
配点が付されていなかったりしま
次に、知識面での勝負でないなら税理士試験は一体何の勝負なのか?
税理士試験はスピードと時間配分の勝負です。
多くの科目が計算問題と理論問題が出題されます。
計算問題を納付税額までしっかり算出し、かつ理論問題をしっかり書ききるということは
試験時間2時間では足りません。
計算も理論もしっかり熟考して回答していては不合格になります。
反射とまではいかなくても即座に回答できるように体にしみこませる必要があります。
税理士試験の本当の難易度は理解が難しいのではなく、体にしみこませ、即答することが難しいです。
勉強時間
受験予備校などでは1科目200時間から600時間といわれています。
しかし、実際はもっとかかります。
私は税理士試験に専念していた時は1日14時間勉強していました。
休日をとらないスタイルでしたので複数科目受けていたとはいえ
1科目あたりの時間は600時間を大幅に超えています。
仕事をしながら受験していた時期は1科目受験でしたが
朝出勤前:1時間
昼休み :30分
夜 :3時間
休日 :10時間
とこれも600時間を大幅に超えます。
受かるにはどれくらいの時間勉強すればよいかという疑問はあるかと思いますが、
自分が使える時間をなるべく多く使わなければ受からないと思います。
科目の選択:受かりやす科目はあるのか?
税理士試験は科目選択制です。
そのためどの科目が合格しやすいかという話はよく上がります。
結論から行きますと「合格しやすい科目は無い」です。
よく聞くのは「ボリュームが少ない科目は合格しやすい」であるとか「相続税は難しい」であるとか。
ボリュームが少ない科目は合格するレベルにもっていくまでの期間が少なくて済みますがミスが許されないです。そのためボリュームが多い科目より受かりやすいわけではありません。
また相続税については理論が覚えにくいとは思います。
しかし他の科目に比べ極端にむずかしいわけではないと感じます。
どの科目も合格するには相当の努力は必要です。
私自身、楽に受かった科目は一つもありません。
では科目の選択の際に考慮すべき点は何でしょうか?
- 学習に充てることができる時間が豊富にあるか
- 実務で使うか
学習に充てる時間が明らかに少ない場合、ボリュームのある科目を選択しても勝負できないことが想定されます。そのためボリュームの少ない科目を選択し、完成度で勝負すべきでしょう。
また、実務で使うかどうかで科目を選択することはモチベーションの維持という観点からもオススメです。
まとめ
今回は税理士試験の難易度、学習時間、科目の選択についてでした。
合格すれば人生が変わる試験ですので、どこで勝負すべきか、どうやったら合格できるのか戦略を練るのが合格の近道です。
◆編集後記◆
尾川堅一選手 戴冠おめでとうございます。