倒産防止共済で節税という話を耳にしたことはありませんか?

今回は倒産防止共済が節税になるのかについて解説します。

倒産防止共済は課税の繰延

倒産防止共済の掛金は支払った際に経費になるため節税になるといわれています。

確かに支払った事業年度の税額は減りますが、解約手当金が入金された際に収益なるため
トータルで考えると課税所得は減っておらず課税が繰り延べられただけです。

倒産防止共済で節税という話はよく聞きますが、無計画に行っては節税になりません。

節税になる場合

課税の繰延でも節税になる場合があります。
それは掛金を支払った事業年度で課税所得が800万円を超えている場合です。

中小法人は800万円までの課税所得については軽減税率が適用されます。

中小法人の税率

・課税所得 800万円以下の部分 ・・・ 15

・課税所得 800万円超の部分  ・・・ 23.20%

そのため、課税所得が800万円を超える事業年度に掛金を積立てると、税負担が少なくなります。

しかし、積立てた掛金はいつか解約しなければなりません。
そして解約手当金は収益として課税されます。
そのため解約手当金の出口戦略を考えなければなりません。

課税所得が800万円を超える事業年度に解約しては節税効果はありません。

節税効果を発揮するためには赤字の事業年度や、退職金などの多額の経費が発生する事業年度に解約するのが良いでしょう。

倒産防止共済の上手な使い方

前納
・一度に経費に算入できる金額が増え、節税効果が期待できる
・前納減額金がもらえる

倒産防止共済には前納制度があります。
前納期間が1年以内のものについては経費に算入できます。
また掛金に対し1,000分の0.9の前納減額金がもらえます。

資金のコントロールに使える
・取引先に倒産があった際に借り入れができる
・積立金額、解約時期を加入者が決めることができる

節税目的以外でも倒産防止共済に加入するメリットはあります。
取引先に倒産があった場合、無担保無保証で掛金の10倍まで借入を行えます。
また、掛金の額も解約の時期も加入者が決めることができるため資金のコントロールがしやすいという特徴があります。

まとめ

今回は倒産防止共済についてのお話でした。

やみくもに加入しても、一時の節税にはなるかもしれません。
しかし、トータルで考えたときに節税にならない場合や、ひどいときは税負担が増える場合も起こり得ます。

そのため倒産防止共済に加入する際は出口戦略を考えてからの加入をおススメします。

もちろん、倒産防止共済は節税だけを目的とした制度ではありません。
中小企業の連鎖倒産を防ぐための制度です。
もしもの時に備える安心のセーフティネットですので加入を検討してはいかがでしょうか?

◆編集後記◆
明日は谷口選手の防衛戦。
石沢選手が体重超過とは・・・
試合はするみたいですがコンディションを考えると谷口選手が不利では?

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