先日、中川政七商店の会長である中川淳さんの「ビジョンとともに働くということ」というセミナーを受講してきました。
中川政七商店は300年続く工芸の会社です。そんな会社急拡大したのは中川淳さんの代になってから。その秘訣は「日本の工芸を元気にする!!」というビジョンを掲げたからです。
ビジョンというのは企業の規模、業態に関わらず重要なのだと実感できるセミナーでした。
そのセミナーで特に私が印象深かった点をピックアップします。
ビジョンは言語化しなければならない
ビジョンは言語化しなければいけないです。分解して定義付けを行います。中川政七商店の例で行くと
can,must,willが重なり合った部分が「日本の工芸を元気にする!!」なのだそうです。
なお、元気にするには明確な金額目標も設定されています。概念だけではなく数字も重要ですね。
言語化、定義付けがないと確かに従業員が理解するのは難しいですよね。
それでもビジョンが従業員に浸透するまで6年と大きな時間が掛かっています。
ビジョンを掲げた以上、事業との整合性を図ります。たとえ儲かるものであってもビジョンに合わないことはやらないと決めているそうです。
ビジョンを掲げれば優秀な人材が集まる
ビジョンを掲げると採用にも良い影響が出始めます。
従来は採用広告を出してもそれほど反応がなかったのに、ビジョンを掲げてからは自社のHPに人材採用についての問い合わせが殺到するようになりました。
そこから集まった人は熱量をもって仕事をする方が多く、優秀な人材が集まるようになり、人材が量、質ともに充実することとなるという結果に。
既存の従業員の中にはビジョンについて快く思っていない人もいるんじゃないかな?と疑問が湧きましたが、そのような方は会社に居づらくなって退職するそうです。
従業員が退職することの善し悪しはあるかもしれませんが、組織として同じ方向をみて仕事ができるということはメリットが多いのではないでしょうか?
ボトムアップのビジョンはNG
ボトムアップでビジョンを決めるのはよくないというお話もありました。
経営者と従業員では覚悟が違うからというのが理由でした。
たしかに経営者と末端の従業員では事業に対する向き合い方、熱量が違いますよね。
最近はボトムアップ型の組織に対して見直す風潮があります。従業員が自発的に動く組織を目指しているケースも多いのではないでしょうか?
しかし、大きな方向性は経営者でないと決められないこともあります。経営者の目線と従業員の目線では見えるものが違いますから。
まとめ
中川政七商店は中川淳さんの代で大きく変わりました。その理由はビジョンにあります。
「ビジョンは私のものではなく会社のもの」と中川淳さんはおっしゃっていました。
その証に中川さんが社長を退いてからも会社の業績は下がっていないそうです。
会社がどこに向かっているのかわからなくなったとき明確なビジョンがあればブレることはないのかもしれません。
◆編集後記◆
札幌ドームの敷地内にクマが出没したみたいです。
住宅地との距離が本当に近くて不安です。