税理士試験は5科目の合格が必要な試験です。5科目のうち2科目は会計科目、3科目は税法科目になります。

税法科目は科目を選択できますが、会計科目である簿記論、財務諸表論は必修科目です。

そのため、税理士試験の入り口として最初に受験する人が多い科目です。一発で合格する人もいますが苦戦する人も多いです。

私も簿記論、財務諸表論ともに一発では合格しておらず、苦戦しました。

もし私がもう一度、簿記論と財務諸表論を受験するならこういった勉強方法で合格を狙うという話をさせていただきます。どちらかというと受験経験者向けの内容になっていますのでご留意ください。

あくまでも個人的な経験に基づく方法なので人によって合う合わないがあるかと思いますのでご了承ください。

簿記論は個別問題をひたすらこなす

もし簿記論をもう一度受験するなら、個別問題を5月くらいまではひたすら個別問題を解きます。

総合問題はどうするのかという疑問はあるかもしれませんが、個別問題を理解していない場合は総合問題も解けません。

まずは個別問題の理解を深めます。

TACの直前問題集

個別問題を理解を深めるには良質な問題集が必要です。

基礎的で簡単すぎる問題集ではいけません。本試験を合格するためにはある程度の難易度のものが必要です。

私はTACの直前問題集という問題集をひたすら解きました。簿記論は得意ではないので最初は問題がとても難しかったですが、間違えた箇所はなぜ間違えたのか、何の知識が不足していたのかをしっかり記録しながら解いていました。

なお、TACの直前問題集とは市販されているものではなく、TACの簿記論の講義の教材です。直前期に配られるもので非常に内容が良かったですね。

私はこれを平日毎日1時間ずつ勉強していました。私が合格した年の話ですが、簿記論の個別問題については直前問題集1冊と直前期模試の解き直ししかやりませんでした。(合格した年の話なので、初学者ではないのでご注意ください、初学の方はもっと基礎的な問題を繰り返し説くことをおススメします)

1時間ずつの勉強ですが直前問題集は10回転くらいは解きました。やはり回数をこなすことが合格の近道でしょう。

総合問題は土日だけ

総合問題については5月くらいになってから手を付けました。

それも土日に1題づつ解くというスタイルです。個別問題と同じようになぜ不正解だったのかはしっかり記録します。

問題については直前期の模試の解き直しが中心です。個別問題と同様にある程度の難易度がある問題を解くことをおススメします。

少ない勉強時間でも合格が狙える

私は簿記論を受験している年には税法科目を2科目受けていたため簿記論に割いた時間は少ないです。

平日1時間×5日と土日に総合問題2題。

もっと多くの時間を割ける方が合格の可能性が高くなるとは思いますが、簿記論を合格を狙うなら週に10時間程度でも戦えるのではないかと思います。

週10時間なら働きながらの方でも時間の捻出ができそうですよね。いろいろな事情があって勉強時間を割くことができない状況にある方もいるかと思います。頑張りましょう。

簿記論は暗記が無いです。そのため少ない勉強時間でも十分に合格が狙えると思います。そのためには勉強の質をいかに上げるかがカギになるでしょう。

財務諸表論は計算で得点を稼ぐ

財務諸表論は合格率が20%を超える年もあり比較的合格しやすい科目といえるかもしれません。

理論はおもしろいでも得点は?

私が財務諸表論を勉強したときに「会計理論っておもしろいんだな」そのように感じました。

おもしろいと感じただけあって初学のときでも模試の成績も非常に良かったです。

試験直前の模試の成績もよく本試験に臨みました。

「計算にはちょっと不安があるけど理論はバッチリ」そのような手ごたえで私は本試験を終えました。

その4か月後、税理士試験の合格発表です。その年の税務諸表論の合格率は非常に高く20%程度でした。
私はこの合格率なら当然に受かっていると思っていましたが結果はまさかの不合格。しかもB判定。

不合格の通知を見つめ1時間立ち上がることができませんでした。

理論が書けていると思っても案外点数がもらえないこともあると思います。

財務諸表論を合格するには計算で確実に得点できる方が合格に近づくのだと身をもって知らされました。

計算は確実にわかるところから

では計算で得点を稼ぐにはどうすればよいでしょうか?

財務諸表論の計算はそれほどひねった出題は少ないので基礎的な論点を落としてはいけません。

まずは自分が確実に解けるところか解答していきましょう。

わからない、解答に時間がかかるような問題は後回しにすることがポイントです。

おススメの教材

5月からの直前期に実施される大原の実力判定公開模試、通称「実判」です。

財務諸表論は全部で4回行われたかと思いますが、その4回で基礎的な問題は網羅されます。

特に計算問題はこの実判で出た問題を確実に取れるようになれば本試験における基礎的な問題で得点できるでしょう。

そのなかでも意識してほしいことは「解ける」ことではなく、「速く解ける」ことです。

本試験は時間との勝負になります。実判で習得するべきことは基礎的な問題を速く解けるようになることです。

まとめ

簿記論、財務諸表論についての勉強方法についての話でした。

この2科目については暗記量が少ないので学習はしやすい科目とも言えます。

どちらの科目についても言えることですが、同じ問題を何回転も解くことにより、速く、正確に回答することができるようになることが合格への近道といえます。

これから税理士試験を受験される方や再度受験される方のご参考になれば幸いです。

1科目でも合格すると見える景色は変わりますよ。

◆編集後記◆

明日は井上尚弥選手の統一戦ですね。

楽しみではありますが、ドネア戦のようなドキドキ感は正直ありません。

歴史的瞬間になると思いますがいい意味で落ち着いてみてられます。